SAPPHIREの導入により、それまで経費精算時に随時行っていた管理職の承認業務を原則として廃止し、年間約5,300時間の業務削減を実現するとともに、SAPPHIREによる事後検証で経費統制の強化にもつなげている事例です。導入前の課題や導入後の効果について、明治安田生命保険相互会社様の宮本様に伺いました。

 宮本 進平 様

明治安田生命保険相互会社 収益管理部
事業費・資金管理G グループマネジャー
(※部署・役職は取材当時のものとなります)

宮本 進平 様

狙い
  • 経費精算プロセスの効率化と経費統制の維持・強化を実現したい
効果
  • 約60,000件の、経費精算における管理職の承認業務を原則廃止
  • 経費の確認・承認作業に充てられていた年間5,300時間以上の管理職の業務時間の削減
  • 二重精算などの不備の減少

管理職はもっと生産的な業務に時間を割いてほしい

Miletos

SAPPHIRE導入前の課題や、導入を検討してくださった背景についてお聞かせください。

宮本様

弊社では、金額の大小や経費精算・請求書支払といった業務の区分なく、すべての経費精算で申請・確認・承認の工程を踏んでおり、数百円の交通費精算も数百万円の請求書支払業務も同じ工程でした。

Miletos

相当な件数を、人力でチェックしていらしたのですね。

宮本様

はい。会社全体では年間数万件に及んでおり、これを全て承認する管理職の負荷も一定程度ありました。私自身もそうなのですが、多忙な毎日を送る管理職から、もっと生産的な業務に時間を割きたいといった声も出ていました。

Miletos

効率化の対象として、経費精算プロセスにスコープを定めた理由を教えてください。

宮本様

現在、弊社内でBPR(ビジネス・プロセス・リエンジニアリング)の取り組みを進めており、その中で先ほどのとおり管理職の皆さんから要望をいただき、検討をスタートしました。検討にあたっては、経費精算・請求書支払に係るリスクの洗い出しから始めました。社外に送金する請求書支払と異なり、経費精算は誤精算などが判明したとしても事後的に給与チェック・オフができ、一般的に金額も低額です。事後検証を強化できれば事前の承認工程を廃止しても大きなリスクはないと整理し、経費精算プロセスの効率化に取り組むことにしました。

SAPPHIREは良い意味で過剰な機能が付いておらず、導入後のイメージも湧きやすい

Miletos

SAPPHIREを選んでいただいた理由についてお聞かせください。

宮本様

経費精算プロセスの効率化に向けて、経費の事後検証についていろいろ調べていたところSAPPHIRE を紹介するダイレクトメールが届いていて興味を持ちました。SAPPHIREは、経費精算の結果(データ)を提供したら、それに対する精査の結果を返してくれます。経費精算システムや基幹システムと連動しているわけではないので、身軽で導入しやすいと思いました。他のシステムに影響がないので、仮にこの仕組みが上手くいかなかったらSAPPHIREの運用を止めればよいだけです。良い意味で過剰な機能が付いていないと感じました。

Miletos

ありがとうございます。経費のチェック機能をご利用いただく際に、特定の要件に依存しない点を御評価いただけたのですね。他にSAPPHIREを検討していただけた理由はおありですか?

宮本様

経費精算プロセスにおいてSAPPHIREで判定した結果をどう使うのか、Miletosの担当者に相談したところ、具体的な提案をしてくれて導入後のイメージが湧きやすかったことと、導入後もサポートいただけるという点がポイントです。実際に、SAPPHIREが判定した後のリスク懸念対象者への確認工程の構築についてもMiletosの担当者の方にサポートいただきました。

Miletos

導入に向けてPoCなどさせていただきましたが、いかがでしたでしょうか?

宮本様

PoCの段階で、試験的に管理職が承認している経費精算データをSAPPHIREに読ませたところ、二重精算の事例が判明しました。つまり、管理職が確認・承認していても見落としはある。逆に言えば、事後に検知する仕組みがあれば、事前の工程である管理職の承認を廃止しても大きな問題はない、これまで考えてきた方向性が間違っていないと確信することができました。

人とAIの強みをうまく掛け合わせることで管理職の業務効率化と統制強化を両立

Miletos

新しい経費精算プロセスを開始してからの効果についてお聞かせください。

宮本様

新しい経費精算プロセスで管理職の承認工程を廃止して数ヶ月ですが、既にそのことが当たり前になっていて日常的には全然気が付かないくらいです。懸念していたのはSAPPHIREの判定結果を元にリスク懸念対象者に確認していく後工程の部分でしたが、こちらも順調に流れています。リスク懸念対象者には直接メールを送りますので、経費の内容を会社に細かくチェックされているという感覚を強くした従業員もいると思います。あらためて感じたことは、人による目視点検には限界があり、見落としが起きるということ。SAPPHIREの不正や誤処理の検知機能を経費精算プロセスに組み込み、人とAIの強みをうまく掛け合わせることで、管理職の業務効率化と統制強化を実現できたと考えています。

先ほども申し上げましたが、新たな経費精算プロセスは、Miletosの担当者の方と一緒に構築したものです。こうしたノウハウは当社だけでなく、SAPPHIREを使う他の企業の方々でも活用いただけるのではと思います。

Miletos

嬉しいお言葉ありがとうございます。では最後に、今後の課題についてお聞かせください。

宮本様

そうですね、今のところ2つ考えていて、一つはSAPPHIREが判定した後の対象者への確認工程をもう少しシンプルにしたいなと。もう一つは誤精算が起きやすい事例に共通項はないかを調査し、未然防止に向けて注意喚起していく必要があると思っています。

Miletos

本日は貴重なお話をありがとうございました。引き続き、貴社の課題解決のお手伝いができるよう、全力を尽くして参ります。